◇『俺の出逢った全ての人々に、幸い満ちる日々が続きますように』

今春無事に銀誓館学園高校部を卒業する運びとなった、とある青年の願い事。

それはもう、一笑に付される荒唐無稽の儚い夢物語などでは既に無く。

叶って然るべき、世界の未来なのだと……誰が、６年前に想像出来ただろう？

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……さあ、どうだったか。

まずお前が平和裏に真っ当に高校卒業出来た事自体が驚愕の奇跡だよ。
あれだけ縦横無尽にあった死線を全部（時に重傷塗れとはいえ）踏み越えてきた事が。
絶対何かしら何処かで粗忽の業による途中退場を被る破目になると思ってた。
データ上の死亡判定か、それとも凍結という名の永久引退かで。

本当に良かったよ。
抑圧の仮初では無く、本当に『誰かの傍に居られて、微笑っていられる』お前になって。
……何より未来の奥様確定な愛らしい恋人が出来た事も奇跡じゃないか？
正直お前にそういう関係の存在が生まれるとはこれっぽっちも予想して無かったぞ。
御陰様で双子の姉にまで伴侶が出来る未来が生まれて来ちゃったじゃないか。
お前等ふたりの初期未来予想図に子供の名前なんて欠片も無かったんだからな。
そんな事を年の瀬ギリギリまで考えさせられる破目になった此方の苦労を想像してみろ。


――ああ、本当に幸い満ちる６年をありがとう。

さあ、“独り立ち”の準備は進んでるか？　後半年なんてあっという間だぞ？

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――後ろ（ＰＬ）として今現在の正直な、“掛葉木いちる”からの問い掛けの答えを此処に。