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@ PBW(Play By Web) "SilverRain" & "PSYCHIC HEARTS"
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――2009.08.10   KAMAKURA



「先ずは改めて自己紹介を。運命予報士の末席、宍矧典杏と申します。
……皆様に御願いしたいのは、未来改変。起こり得る惨劇を起こさない事です」

夏特有のじめじめした蒸し暑さが、典杏の言葉でほんの少しだけ冷えたような錯覚。
不意に日が翳り強い雨が降り出した事も、そう思わせる理由かもしれない。


「表向きの此処のように小中高一貫教育を売りにしている私立の学校が新潟にあります。
その学校で夏休みの終わりに大掛かりなパーティーをするんです。伝統行事らしくて。
……但しこのままだと、開催されるのは血塗れゴースト蹂躙惨劇の舞踏会」

百人単位で人が死にますよ、と隠す事もせず典杏は言い放つ。

「ちょっと待って、百人ってすごい数だよ!? ねえ、ソレ百鬼夜行とかそういう奴なの?」
「いいえ、百鬼夜行なら人の気配がすると消えてしまいますから異なる物でしょうね」
「……穏やかじゃないな。どうしたらそれほどまでの惨劇になる」
「幾つか視えたものを繋ぎ合わせた程度の情報しかありませんが、憶測は幾らか」

ユエや寅靖の質問に答える形で、典杏は足元のノートを拾いぱらぱらと捲った。

「先ず、どうやら壊してはいけない物を盛大にぶっ壊した馬鹿が居る事。
一騒動あった四国の妖獣石とは性質が違いますが、そういう類の物だと思って下さい。
それと、確か龍脈でしたっけ……遥か過去の能力者を己が場に縛っているとかどうとか。
ゴースト達はそれっぽいものを目指して突っ込んできますが……そのルート上に学校が。
最短距離しか通る心算が無いとでも言うかの如く、盛大に真正面から」

一枚壁張って抑えたって10分持ちませんでしたからね、相当凶悪ですよと溜め息を吐く。

「……なあ、今の壁って何だ?」
「俺も気になった。何かゴーストを止めるような物が現地にあるのか?」
「ああ、その事を忘れていました。今回一寸したイレギュラーがあるんです」

残菊と唯の指摘に、ノートに挟んでいた紙を取り出し広げた。皆で覗き込む。
そこには学校周辺を上から見たのだろう簡略な図と幾つかの矢印。

「この楕円がトラックですが、此方側からゴースト達はやって来ます。一番太い矢印がそう。
それとこの奥まった所にあるのが講堂です。パーティー会場で人々が集まってます。
……その講堂入口と他の校舎の間に出来た空間に細い矢印がトラック方向へ出てますね?
まるで講堂までの道を塞ぐように動いていますが……これが今回のイレギュラー」

一度そこで言葉を切り、集まった者達の視線を受け止める。

「……この学校にも能力者がいるんです。ゴースト迎撃の為に壁になろうとしています」


「能力者ったって万能じゃねぇぜ、向こうが10分持たない敵相手に俺達が勝てるのかよ?」
「彼等では、10分持たないんです。皆様なら互角レベルに持ち込めますよ」
「――つまり人数か経験の差か、そういう要素があるわけだな」
「はい。あちら側の方の能力は銀誓館入学直後位のものでしかないと御考え下さい。
詠唱兵器だって銀誓館のようにチューン出来る訳でもありませんから最低限のものです。
戦闘経験に至っては多い方でも数回程度。場数の差は歴然ですね」
「ねえ予報士さん、その人達がどんな人なのかは分かる?」
「操る武器はちらりと視えましたから予想はそれなりに出来ると思います。
黒髪に藍色の目の少女が抱えていたのは魔道書です。
横にケットシーを連れていた薄い茶髪の少年は円盤状の物。風水盤、でしょうか。
もう1人、黒髪黒目の誰かはヌンチャクっぽい物でしたね。
他に後2人程視えましたが……一寸それは後で御話ししましょう」

……視えた能力者の最初の2人は想像するまでも無い、といちるは視線を床に落とした。
はたると、一真だ。
最後の誰かは全く見当がつかないが、矧の誰かである可能性は極めて低い。

「……いちる、具合でも悪いのか?」
「いえ、大丈夫です残菊先輩。臨海学校の事も一寸考えてて」
「臨海学校……あれ? いちる兄ちゃん確か海底に行く依頼のメンバーだよね?」
「……運命の糸は繋がった事件に決着がつかなければ新しく繋がる事も無い筈だが」
「いや結社で遭遇した事件とかだったら同時に幾つも繋がったりするぜ?」
「……多分それとも違う。 ――典杏」

視線を上げ、金髪の予報士を見据える。

「現地で他に視えた人間の一人は俺なんだろ? もう一人は多分彩晴だな」
「……御明察の通りです、掛葉木先輩。御二人無しでは5分も持たないでしょうね」



……最初から犠牲予定者リストに自分の(そして彩晴の)名もあった、という事か。
その事を暗に肯定した典杏にあっさり納得したいちるの姿は、他の者にはどう映ったか……。
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