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@ PBW(Play By Web) "SilverRain" & "PSYCHIC HEARTS"
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空はまだ暗く、光る星と白い月明かりが綺麗。

頭上から降る、橙色の混じった照明の光。

冷たいというより痛いに近い、冬の空気。


電車を待つ客は殆どいない。

何せ正月三が日が昨日終わったばかり。
そうでなくても、始発に乗り込む乗客は余りいない駅だから。

足元のドラムバッグと、僕自身の真っ白な息と一緒に、
僕はホームで電車を待っている。




年末に突然送られてきた、銀誓館学園の入学書類。
そして元日に届いた、編入許可書。

学校の皆には殆ど挨拶をしないまま、僕は鎌倉へ行く。

……皆の事だ、きっと「調理師学校受かったんだよ、何せいちだし」とか言いそう。
流石に小学生じゃ、入れてくれる調理師学校無いんだけどね。



口元まで覆ったマフラーにそっと触れる。
正確には、マフラーの下の首元に。

双子の姉が、はたるがくれたチョーカー。
欲しいな欲しいなって思ってたけど、一寸高くて見てるだけだったチョーカー。
昨日の夜、寝る前に渡されるなんて思ってなかった。

「これは、いちの御守り。いちがいちでいられるように」


双子だったから、いつも二人一緒だった。

でも今日からは、それぞれ違う生活、違う道。



眩しい位のライトと一緒に、ホームへ滑り込んできた電車。
対面型に区切られた座席の一角に座り、向かいにバッグを置いて。

走り出して暫くすると、窓の向こうが海になる。
今の季節だと荒れて波飛沫が飛んでばかりの海が、今朝はとても静かで。
月明かりできらきらと光る海を見ていたら、白い何かが目に映った。

「……雪だ」

無我夢中で電車の大きな窓を引き上げた。
途端に冷たい空気が、そして小さな雪が車内に吹き込んできたけど、
僕以外誰もいない車両だったから大丈夫。多分。

暗い空と。
一面の海と。
舞い始めた雪と。

これから暫くは見られそうにも無い、故郷の朝。


「……大丈夫。へこたれたりなんか、しないから」


夢を諦めたりなんかしない。
回り道になっても、寄り道ばっかりになっても、絶対に。

行き先は変わらない。
ただほんの少し、行く道を変えるだけだから。
北国の海が見える電車ではなくて、鎌倉の街を走る電車に乗り換えるだけ。



……そう分かっていても。

その時の僕は、泣かないように顔を上げて外を見つめるだけで精一杯だった。
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