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@ PBW(Play By Web) "SilverRain" & "PSYCHIC HEARTS"
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――2002.01.08

「あれ? いちるくんどうしたの?」
「……来たら悪いか?」
「ううん、そんな事ないよ! くなー、いちるくんだよー!」

……昨日彼等に出逢った公園。
学校帰りに立ち寄った其処には、昨日と同じように怜とくなぎがいた。
ああ、今日は晴れたから泥塗れにはなるかもしれないが濡れ鼠にはなれそうもない。


--------
「……すぐ傍の公園にか」

昨日あの後、結局父さんに色々と白状する羽目になったが、説教は回避出来た。
病み上がりで濡れ鼠よりも、昨日出逢ったあの何かの事の方が遥かに重要だったらしい。

「OK、復習の時間だ。俺達能力者と敵対する禍津(まがつ)なる者等……それがゴースト」

夕食後の炬燵での一家団欒、あられ摘みつつ緑茶啜りつつゴースト勉強会。

「発生メカニズムだの詠唱銀だのという辺りは今回端折るとして、今日はこの子の話」

そう言って父さんはあの何かの絵を指し示す。

「この子が何かって所からぶっちゃけるとな……ゴーストなんだ、これが」
「「!?」」
「でも一寸不思議で優しくて可愛らしいゴーストさんなのです。人を襲ったりしないのですよ」
「ねえ、そんなの可能なの? おかしいじゃない、ゴーストなんでしょ?」
「ゴーストなんだが、俺等の仲間とも言える。とある条件クリアした子達限定なんだが」
「……条件は?」
「“能力者との縁”。ある一人の能力者に対し、絆とか愛情とか信頼とか……そういう感情を抱く事により激痛や束縛、衝動といったものから開放される。ゴーストが人を襲う根源たるものが消えちまうわけだ」
「そうして縁を結んだゴーストさんは、結んだ相手やその友達さんを全力で守ろうとするのです」
「「……」」
「くなぎさんというこの子は、ゴーストの名前としてはシャーマンズゴースト。地縛霊さんです」
「己を縛り付ける妄執の鎖で地に繋ぎ止められたゴーストってのが地縛霊だが、シャーマンズゴーストは能力者との絆を得た事で束縛を解かれた。いまや彼等の鎖は妄執ではなく、守るべき相手との絆の鎖だ」
「……絆の、鎖」
「ねえ、そうなるとその怜って子も能力者って事でしょ?」
「そういう事にしかならんな。シャーマンズゴーストと絆を結んだ事自体が無自覚だろうが」
「……」
「ふふ、実は優しくて可愛らしいゴーストさんはシャーマンズゴーストだけではないのですよ?」
「そうなの?」
「そうなのです。ふわもこ縫いぐるみみたいなモーラットに、どう見ても骨なスケルトンです」
「スケルトンは特に繋がりが強い事で知られているな。大体は能力者の元身内が多いんだ」
「元、身内……?」
「分類的にはリビングデッド、生きる屍。死しても尚尽きぬ愛情を縁の相手に貫く人々だよ」

そういえば俺等が暴れてる時にもいたよなモラ連れ、と父さんは呟いた。
……それは多分僕たちが生まれるよりも昔の話。此処と、神奈川にいた頃の話。


--------
「……なあ、怜」
「んー? どうしたのいちるくん?」
「くなぎと初めて逢ったのは、いつの事?」
「んとねー、去年のクリスマス!」

……おいおい、本当につい最近だ。半月も経ってない。

「お母さんのお見舞いの帰りにココ通りかかったらくながいたの。それでね、しょぼんとしてた感じだったから、『いっしょに遊ぼう』って声かけたら振り向いてね、手ぱたぱたしたの」

ああ、そういえば怜の母親って長く入院してるとか聞いたな。授業参観には父親来てたし。
……しかし普通其処で何も分からん相手に声掛ける方が珍しいというか何というかな。

「それで遊んでたら暗くなっちゃって、『また明日ね』って言ったらまたしょぼんとしちゃってね。だから『僕のうちに来る?』って聞いたら元気になって手ぱたぱたしたのー」

多分……絆が繋がれたのはその時か。
自分が見える相手を、くなぎはずっと待ってたんだろうか。この公園で、ずっと。

「……そういえば。何で名前が“くなぎ”なんだ?」
「なんとなく!」
「……何となく、か」

ある意味予想していた答えが返ってきて思わず脱力した俺の頭をぽふぽふ撫でる手。
顔を上げると首を傾げて俺を見ているくなぎ。
大丈夫だよと笑ってみせると、嬉しそうに頷いて怜の傍に座った。
こんなやり取りを見ていると、分かってても本当にゴーストなのか疑わしくなってくる。

「なあ、怜」
「んー?」
「……くなぎ、何で昨日俺を助けたんだろう」

『くなぎさんがいちるを助けてくれたのは、怜さんにとっていちるが友達だから、かもですね』

……昨日寝る前の、母さんの言葉。
それは無いだろ、昨日だって怜が名乗るまでクラスメイトだと気付かなかった相手だ俺は。

「んー、くなぎが友達だと思ったからじゃないかなぁ?」



……くなぎが俺を友達だと思ったのは――

――くなぎにとって大事な大事な友達の怜が、俺の、事を……。
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