@ PBW(Play By Web) "SilverRain" & "PSYCHIC HEARTS"
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※この企画は此処で“無謀企画”と呼ばれる、字面通りの無謀極まりないブツです。
※もう少し真っ当な表現をするならば所謂偽シナ。
※正確にはGM役が馬鹿の一つ覚えのように無謀に走り自重を捨てる企画という(ry
※いい加減夏にこの企画ぶつけんの止めれという突っ込みは全力で聞き流し。
※それでは――第4回無謀企画、解禁。
……というわけで始動したものの、初っ端から前回以前と大きく違う点が。
今回、この記事はOP専用として使います。
・参加表明も相談も運命予報士(もといGM)への問い詰めも別記事にて進行。
・〆切やプレイング提出方法も別記事で指定致します。暫し御待ちを。
・今回は今迄に比べ実験的な試みも増やします。詳細は追々。
『――大変な危険が伴う依頼です。それでも、宜しければ』
朝礼に偽装された予報連絡。
淡い金髪と赤紫蘇色の瞳をした運命予報士はそう告げた。
凛とした、表情で。
※もう少し真っ当な表現をするならば所謂偽シナ。
※正確にはGM役が馬鹿の一つ覚えのように無謀に走り自重を捨てる企画という(ry
※いい加減夏にこの企画ぶつけんの止めれという突っ込みは全力で聞き流し。
※それでは――第4回無謀企画、解禁。
……というわけで始動したものの、初っ端から前回以前と大きく違う点が。
今回、この記事はOP専用として使います。
・参加表明も相談も運命予報士(もといGM)への問い詰めも別記事にて進行。
・〆切やプレイング提出方法も別記事で指定致します。暫し御待ちを。
・今回は今迄に比べ実験的な試みも増やします。詳細は追々。
『――大変な危険が伴う依頼です。それでも、宜しければ』
朝礼に偽装された予報連絡。
淡い金髪と赤紫蘇色の瞳をした運命予報士はそう告げた。
凛とした、表情で。
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集合場所として指定されたのは一縷樹キャンパスのコンピューター室。
詳細を知る為に其処へ向かうあなたの前を行くのは、一組の男女。
両方とも銀誓館学園高校部の夏服姿。
男子生徒の身長が高校生としては少々高いように見える事と。
女子生徒の漆黒の髪に緋色の細いリボンが結ばれている事と。
後ろを歩くあなたから見える特徴はそれ位だろう。
……それと、断片的に聞こえる互いに些か容赦の無い言葉の応酬と。
数分後、コンピューター室の扉の前に辿り着いたふたり。
後ろにいたあなたに気付いたのか、女子生徒が開け放した扉の前を譲る。
「あなたも予報を見たのね。――お先にどうぞ」
「……俺達はある意味部外者だから」
意味深な一言を残した男子生徒もあなたが先にと促す。
時刻は丁度、指定時間。
未だ外は明るいものの、既に宵の刻限。
――さあ、心の準備が出来たなら、扉の先へ。
教壇の前にいたのは、放送で見た運命予報士。
淡い金髪を緩い三つ編みに纏めた、赤紫蘇色の瞳の女性。
夏服の形状からみて、彼女も高校部在籍のようだ。
「――こんばんは。運命の糸に感謝致します、どうぞ皆様が揃うまでお好きな席へ」
「銀誓館学園運命予報士末席、堤典杏(つつみ のりあ)と申します。
初めましての方も既に御縁の深い方も……どうぞ、宜しく御願い致します」
ノートを抱え、深く一礼する運命予報士。
「――では早速、本題に入らせて戴きます。
今回の予報は過去視でもあり、未来視でもあります。
既に犠牲者が何人も出ている上、近い将来新しい犠牲者が生まれてしまうのです」
赤紫蘇色の瞳を伏せる事も逸らす事もせず。
能力者の視線を受け止める。
「皆様にお願いしたいのは、抗体地縛霊“達”の撃破です」
抗体、という単語に反応しざわめくコンピューター室内。
それはつまり、今回のゴーストは『万色の稲妻』で強化されてしまった事を意味する。
抗体兵器を携え、進化した特殊空間――抗体空間を展開する強敵だ。
そして抗体空間はそれ自体が取り込まれた存在の排除に動く。
まるで空間自身が意志を持つかのように。
「……今さ、抗体地縛霊“達”って言ったよな?」
典杏の言葉に引っかかるものを感じた能力者が問い掛ける。
はっきりと頷いた彼女は、その先を告げた。
「はい。――正確には、抗体地縛霊2体を“出来得る限り同時に”滅して戴きます」
言葉を濁す事無く、はっきりと。
「自分の説明だけでは想像が難しいと思いますので、一寸した物を御用意致しました。
それでは皆様、各席のモニターをご覧下さい」
その言葉とほぼ同時に、モニターのスクリーンセーバーが一斉に解除される。
――映し出されたのは、ふたつのゴム球を無理矢理纏めたかのような歪む球体。
癒着しねじ曲がり、何とかひとつの大きな球体を成してはいる。
しかしこの不安定さではいつバラバラに分離してもおかしくないような状態だ。
区別が付けやすいようになのか、2色で色分けされている。
教壇の隣、映像送出を担う総合操作卓にはいつの間にか先程の高校生ふたり。
この教室にいる時点で一般人では無い筈だが、と不審がる者あり。
一方、又は両方の姿形にどこか見覚えがあると思った者あり。
おやこのふたりも呼ばれたのならば又厄介な依頼かもしれない、と苦笑する者あり。
……そもそもこの予報士の時点で波乱確定だと諦観を覚えた者あり。
「これは今回の抗体地縛霊達が生み出した抗体空間を描写したものだと思って下さい。
見ての通り、ふたつの抗体空間が癒着し、
ぎりぎりのバランスでひとつの大きな抗体空間を構成しています」
画面の中で緩やかに回る、いびつな巨大球体。
「まあそれだけならば強敵2体、という話で済んだのですが。
……そうは問屋が下ろしてはくれないようで」
先程の自分の言葉を覚えていますでしょうか、と。
「自分は“出来得る限り同時に”、と。今回最も危険な点は、まさにここなのです」
「癒着しねじ曲がり無理矢理にバランスを保って存在する、ふたつの抗体空間。
しかし一度このバランスが大きく崩れてしまえば最後、止める手段は何もありません。
先に消滅した側の抗体空間にいたのならば然して脅威は無いでしょう。
対して残存している側の抗体空間は最終的に内包する諸々を道連れに自壊します。
大爆発と言っても過言では無く。
――勿論、生命の保証などそれ以前の問題というわけですね」
……御丁寧にも、画面の中でその最悪の結末をも余す所無く再現してくれている。
「片方の抗体空間消滅によるバランスの崩壊、ひいては他方の自壊。
この可能性をどれだけ最低限に抑えるか……実現の為の最良の方法が、同時撃破。
もしふたつの抗体空間を同時か、それに近い時間差で消滅させる事が出来れば、
大きな怪我も無くこの世界へと帰還出来るというわけです」
「それでは、それぞれの抗体空間と抗体地縛霊の詳細に移りましょうか。
――ふたつの空間は、相反するようで何処か酷似している、そんな空間です」
画面の中の片方の空間が、ちかちかと点滅する。
「此方は、便宜的に『浪漫の英雄』と。
この空間の主の性質、抗体空間の性質を端的に表現したものです。
――此方の空間では、博打紛いだったり日の目を見ないアビリティであればあるほど、
攻撃であれ回復であれ恐ろしいまでに威力が跳ね上がります。
逆に『二重強化の上で高破壊力アビリティ』などという通常正しい筈の定石は、
空間の性質に合致したアビリティだったという例外を除き殆ど通用しないとお考え下さい。
寧ろ、荒唐無稽とか常識的にあり得ないとか、
普段なら絶対出来ない事を敢えて試してやろうという発想が重要かと。
そして、抗体空間はそういう戦闘を好む者を助けるような効果を発揮します。
空間内全ての存在の行動が一巡する度に、
どれだけ体力を失っていようとも必ず半分まで癒されるのです。
――皆様も、抗体地縛霊も、分け隔て無く」
但し博打と浪漫に溢れた戦闘に抗体地縛霊が満足すれば、
抗体地縛霊に対する抗体空間の効果は消滅する、と。
ならば此方の空間を担当する者達の狙い所はそこだろうか。
「では、他方の空間の詳細を」
今度はもう片方の空間が点滅する。
「此方を端的に表現すれば、『死線の賢者』。
――一瞬の判断の遅れ、躊躇が自身だけでなく仲間をも危険に晒しかねない。
言ってみれば、無情と非情の空間です。
抗体空間も、英雄とは真逆の効果。
どれだけ回復していようとも……一巡する度に半分まで削り取られます。
半分を切っていた時はそのままのようですので、決して判断に迷ってはいけません。
そして、ある意味において此方は“常識”の支配力が高い空間でもあります。
普通魔炎の効果で炎を燃え移らせる事も、
水に雷のアビリティを打ち込んで感電させる事も不可能、ですよね。
……しかし、この空間では、可能なのです。皆様にも、抗体地縛霊にも」
日常用いる常識を、知識をフル活用せよという事か。
そして死線をかい潜り必ず生き延び舞い戻るのだという意志を示せれば、
抗体地縛霊は好敵手と認めるだろう。
その時初めて、能力者側への抗体空間の効果が消滅するという。
浪漫の英雄か。
死線の賢者か。
さて自分に向く相手はどちらだろうかと能力者達が考えを巡らせようとする、も。
「……最後の難題は、“選択不可能”の一語」
室内に響く、感情を排した典杏の一声。
「皆様がどちらの抗体空間に“選ばれる”かは、その瞬間まで一切分からないのです。
例えどちらの空間に招かれようとも屈する事無く、必ず撃破する。
――他方の空間にいる、仲間の為にも。
互いに先んじ、互いを守り、互いを信じる……そういう戦いになるでしょう。
今までの説明の通り、大変な危険が伴う依頼です。
此処で帰られるのもひとつの選択でしょう。自分は皆様の選択を尊重します。
――それでも、この戦場へ向かうという意志と覚悟があるのならば」
――抗体地縛霊達に引導を。
そう、典杏は告げた。
「一番最後になりましたが、この抗体空間に繋がる地点と進入条件とを」
画面に現れたのは、一点に印の付いた地図と荒れ果てた洋館の写真。
「この廃墟化した洋館に、とある条件を満たした方々が踏み込んだ瞬間……
条件を満たした方々も周辺の方々も諸共に抗体空間へと引き込まれます。
余程離れていない限り置いていかれるという事はありません、その点だけは御心配無く」
「――条件は私達が満たしているわ。一寸特殊だけれど偶然にも、ね」
「……その条件の御陰で、被害者は予想よりも少なかったとも言えるけどな」
増えた声の主は、あの高校生達。
「条件は『双子が揃っている事』。
それ以外は年齢も性別も関係無いらしいから……抗体空間への道は、私達がこじ開ける」
「勿論、戦闘には俺達も加わります。――足手纏いにだけはなりませんから」
相反するようで、何処か酷似。
……先程の英雄と賢者の話が頭を過ぎる。
「御武運を。――必ず、学園へ戻ってきて下さい」
向かわれるのならば、どうか約束して下さい、と。
成否よりも何よりも……誰ひとりとして欠ける事無く、報告を戴ける事を、と。
何かを堪えるような声でそう締め括り、典杏は深く深く頭を下げたのだった。
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