支えるのは、１２年前の原体験。

「そういえば兄上様兄上様、ひとつお伺いしたい事が」
「……どうした、稚都世？」

レシピ本の整理に明け暮れていた最中、それを眺めていた小さな義弟からの問い。

「兄上様が初めて作った料理って一体何なのですか？」
「初めて……か。それこそ初めてなのは卵焼きとかうさぎ林檎とかその辺だけど」

焼くだけ、切るだけ、盛り付けるだけ、型抜くだけ、並べるだけ。
……ただ、最初から最後まで母さんの手を借りずに初めて作った料理はと、いえば。

「……でも俺がひとりで初めて作ったのは、卵と牛乳と砂糖だけのプリンだよ。当時５歳」

その前日、母さんが卵を割る所と蒸し器の前に居る所しか見ていなかった俺。
だからてっきり茶碗蒸しかと思っていたら……味見したそれがふわふわと甘くて吃驚して。
同じ卵料理で同じ蒸し料理なのに、その間が違うだけでこんなに変わるのか……って。


世界の中に俺自身の姿が見えなかったあの頃の俺へ鮮烈に道を、夢を描いた料理。
――俺を支える要が生まれた切欠は、それ位、単純な事で。



※12/4　14:00　初期稿Ｕｐ（３０字程の余裕を持たせて構築。完全に説得？＞料理＞戦闘）
※12/4　23:00　修正１稿Ｕｐ（微修正・追加で６００字埋め。感情活性は現在思案中）

--------

【b17349 / 全俺世界不可思議料理コンテストおおおおおおお！】

●アビリティ
神秘 霧影分身術改 ◆◆ ×8 （112+78）
術式 水刃手裏剣奥義 ◆◆◆ ×4 （217+42）
術式 霧影爆水掌奥義 ◆◆◆ ×4 （217+30）
術式 浄化の風 ◆ ×4 （85+5/ＢＳチェック１）

ＨＰ：904（450+454）// ＣＰ：1000（484+516）// 回避Ｂ：気魄
武器：燕刃刀二刀（術神＆術射）
攻撃力：34/217（射）/112 // イニシアチブ：71



●プレイング
現字数：600/600　（残0）

--------
……何、この酷過ぎる悪夢。
そうか美食に飽いた末に走るは奇食か、って納得出来るかふざけんな……っ。


※今回少々沸点低め、対人は基本ですます口調で抑え込む
※但し一度切れたらＳＴ欄下段（死を～）に豹変

■料理勝負
敢えて材料も手順も単純な、卵と砂糖と牛乳だけのたまごプリン。
今回は食紅で淡く染めた桜花型煮林檎を下に沈めて。
ひとつだけでなく、皆の分も。

蒸し器の傍に、厨房の中にいる間だけは全力で平静を保ったまま。
これは５歳の子供でも頑張れば作れて、彼に将来の夢を決定付けさせた菓子。
……１２年前の俺の事だけどな。

何の変哲も無い菓子ひとつが温かい記憶と共に人の支えになる事だってある。
贅を尽くした美食である必要なんか、ない。
だけど子供にトラウマ与えるような料理で夢が育つ訳が無えだろ。
そんな料理を評論家のあんたは他人に薦めんのかよ。
あんたの言葉を信じて食べた人の心を塗り潰すような料理を。

……真っ当に頑張ってる調理師と家庭科教諭を一体何だと思ってるんだ。
あんたが望んで籠ってるこの世界は……両方を夢見る後身の俺には地獄より、酷えよ。

■戦闘
勝負如何に関わらず前衛。
……あのパティシエだけは絶対厨房の床に沈めてしまいたい。
とりあえず初手は奴に霧影爆水掌奥義叩き込み確定。
以降は一番負傷が累積した敵から順次撃破。近ければ霧影爆水掌、遠ければ手裏剣。
体力が半分切ったら霧影分身術。
浄化の風は仲間の同系アビでの解除失敗時のみ。 
--------