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@ PBW(Play By Web) "SilverRain" & "PSYCHIC HEARTS"
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此処より始まるは、無謀企画第2弾を締め括る最後の無謀。
月の光に照らされた舞台の上で、駆け抜け去った筈の時が再び巻き戻る。


さあ、緞帳が上がる時間だ。



――垣間見るを望むは、どの瞬間?

――さあ、月光と過ぎし時の舞台はあなたの声を待っているよ。




--------

“Sandmannは何処にや”     (男部屋の顛末@渕埼先輩後ろ様)

「……おー、流石に5人部屋となると広ぇー」

小グループ用のファミリールームと思しきその部屋に踏み込んだ人間の正直な感想。
夜が明けるまでの仮眠に充てるだけとしては中々豪華な空間とも言えた。
女性陣の3人部屋も広さは異なれども、きっとこの位の設備は整っていそうだった。
買い出し品の袋やら然して多くもない荷物やらをベッドやテーブルに置く面々。
……何故か早速ベッドの位置争奪戦が勃発しかけたりもしたが。
仮眠だろうと寝場所は重要だという類の主張をした者あり、全く理解出来ない者あり。

別に何処でもいいから、と入口から一番近いベッドに腰を下ろした人影の半身が傾ぐ。
ぽすっ、と軽い音を立てて彼の者がベッドの上に倒れ込んだ事に誰も気付く事無く。

……まあ、諸般の事情で気付く訳が無かった。

「……此の期に及んでする主張か、それは」
「何を仰る。当然ですよ、誰の隣で寝るかで熟睡の度合いが段違いなんですから」
「年端の行かぬ子供が言うならまだ可愛げもあろうが……よりにもよってお前が言うか」
「渕埼寅靖の隣にならない為だったら何だって言いますよ決まってるじゃないですか」

……21歳と18歳の間の会話にしては突っ込み所が多過ぎやしませんか。

「え、ええと……なら影郎は一番端で、寅靖以外がその隣に来ればいい、だろう?」

おろおろしながらも至極真っ当な助け舟を出した残菊だったが、当事者達気付きゃしねぇ。

「そやね、端っこさえ取りゃ片側壁で隣接すんの1人にしかならんしねぇ。
まあ向かいも嫌やってならもーちっと再考の必要アリやけど。なあ、いち……いち?」

残菊の提案に賛同の意を示した彩晴が、漸くベッドに倒れ込んだ存在に気付いたらしく。
マフラーも靴もパーカーも着たまま履いたままで動かない従兄を軽く揺するが反応が無い。

「……多分朝飯の時間になっても起きんわなコレ。いち完全に体内電池切れたっぽいわ」

正月のゴタゴタ全部片付けた後も丸2日意識何処行った状態やったし、と従弟は続けて。
ゴタゴタの断片の幾つかを知る寅靖が後輩の言葉を耳にして、漸く意識をそちらに向ける。

「完全に寝入った所を起こすのは酷だろうな……疲れ切っている筈だ、寝かせておこう」
「意識飛ばすのはええけどせめて靴とマフラー位外せっつの……絞殺死体が出来てまう」

首に巻いた保冷マフラーを外そうと頭と肩を持ち上げても反応無し。最早呼吸するマネキン。
手早く苦痛軽減の策を実行していく動作に淀みが無いのは件の正月に取った杵柄か。

「……という事で流茶野、お前は逆の端へ行け。そうすれば俺の隣にはならんだろうが」
「隣にはならなくとも足の先に渕埼寅靖が居るのも遠慮したい所なんですけどねえ」
「五月蝿い! ああ言えばこう言う、お前には妥協と自制という言葉は無いのか!?」
「ああ、ええと……だったら、影郎の隣は彩晴で、斜向かいには俺が寝れば大丈夫だろう?
で、俺の隣に寅靖が来れば向かいにも、隣にもならないから。な、そうしないか?」

ゴースト相手よりも大変な現状をどうにかしようと残菊が打開案を提示するが無しの飛礫。
そしてこの喧しさにも関わらず目を覚ます気配皆無のいちる。
残菊の言に乗ったか、彩晴がいちるの隣のベッドに自分の上着と帽子等々荷物を放り出し、

「んじゃ誰も風呂入らんのなら一番貰いますねー」

聞こえるように言い放ちアメニティ一式を抱えてバスルームに消えた。
……ぴたっと止まる犬猿の火花と口喧嘩。

「いってらっしゃい。……うん、戻ってきたら次は俺が風呂に行こう」

更に追い討ちの如き残菊の呟き。
言い争わせているときりが無いと踏んだか自案通り壁際斜向かいのベッドへ荷物を置いて。
……選択の余地が無くなったベッド割り、果たして済し崩しにて舌戦終了。


その後もとりあえず寝られるだけ寝ようという見解で落ち着いたかと思えば、
以降のバスルーム使用順争いだの買った菓子や飲料の取り合いだのが散々続く5人部屋。
……だが何処までも五月蝿いのは5人のうち極一部ばかりだったとか、
この五月蝿さの中煌々と輝く照明の下にも関わらず全く目を覚ます気配が無い存在だとか、
そんな突っ込み所満載の喧噪もやっと終わりを迎えたと、思ったら。

「……逆に目が冴えるとは……流茶野め、鎌倉へ帰ったら覚えていろ」

散々騒ぎ倒した挙げ句、某漫画の小学生の如き神速で寝入った犬猿の後輩へ吐く悪態。
隣の残菊も眠りにつくのが早かったらしく、既に静かな寝息が聞こえてくる。
向かい側、入り口に一番近いベッドは言わずもがな。全く動かないのが逆に心配を煽る。

「――Come on, yes, you should watch this transformation......」

微かな歌声。

「――あ、ヤバい起こしてまいました?」
「……いや、流茶野のせいで目が冴えてしまってな。尭矧こそ眠らないのか?」

一番風呂を颯爽と掻っ攫っただけに、さっさと寝てしまうものだと思っていたが。

「元々1日位やったら寝んでも平気なんで。天体観測シーズン前の予行練習やと思えば。
まー、後は万が一隣のが人間に戻ったら檸檬炭酸飲ませて風呂に放り込む役が要るでしょ」

とはいえ俺の経験則じゃ十中八九朝になっても戻らん思いますけどねー、と笑った。

「俺は放っといて先輩は寝とってください。ギリ聞こえる声量で安眠の歌唄ってますから」

そして、微か耳に届くはどう聞いても全く同じ歌詞。
しかしロックぽさを感じた先程とは曲調が全く異なっていて。緩やかなテンポに、優しい声。
不思議と瞼が降りていくような感覚と共に、意識がすぅっと溶け込んでいく――


……呼吸するマネキン化していた少年は朝食15分前に叩き起こされ漸く人間に戻った。
あれ程青黒く刻み込まれていた首筋の痣は夢だったかのように消え失せていて。
未だ焦点が完全に合ってないような表情のまま腕に付けていたチョーカーを首に戻し、
一度静かに閉じた瞼をゆっくりと開いた時には、普段の彼に戻っていて。



――さあ、皆揃ったら鎌倉へ。




※歌詞引用元:『Transformation』(すばせか+The World Ends with Youサントラ)

-.-.-.-.-.-.-.-

(10/23追加)

“言葉は要らぬ、其の血で示せ”     (7両目前半戦@渕埼先輩後ろ様)

血が流れていく音が耳の底で響く。
視界が赤く、赤く滲む。

……まだ、感覚はある。まだ立っていられる。
今此処で死ぬ理由など見当たらないし、死ぬ訳にもいかない。
辿り着かねばならない。此処で斃れてはならない。
俺より年若い友人が、たったひとりでこの先にいるのだから。


其処にいたのは8つの影。
居並ぶ人影全てが蛇を従えたリリス。
幼子もいれば俺達位の姿も、それ以上も。
――だからとはいえ何かが変わる訳でもない。
彼女達がゴーストである以上は。

曲刀を振り翳す1人目に立ち塞がり、獣爪で受け止めきれずに左腕を裂かれ。
刃の様な旋風を撒き散らした2人目に流茶野共々巻きこまれ。
3人目が放った一直線に走る衝撃波から後衛を護ろうとして右足を穿たれ。

振動の音に紛れ左側から響く鋭い銃声は狙撃か牽制か。
光の魔法陣、光の花弁が視界の端に輝き、消える。

その一瞬すら見逃さぬ狡猾さを、身を以て知っていながら、見せてしまった一瞬の隙。
腹部に叩き付けられた鈍器。
一瞬遅れて全身を蹂躙する衝撃、口より零す緋色。

誰かの悲鳴。
声の主が誰かを探る暇もなく眼前で弾けた閃光に身を焦がされ。
……突き出された刃の切っ先を寸でで避けられたのは幸運かもしれなかった。
頬に焼けつくような痛みが走ったが、額を狙われていたならば重傷では済まない。

刹那。
俺の視界の端で咲いた鮮血の華。
紅に染まる腹部を手で押さえ崩れかけた小柄な人影を支える銀髪の痩身。
止まりかけた思考を再び動かしたのは、眼前を横切る純白の薙刀の柄。


盾になるのではなかったのか。
此の身を賭して。
……その筈が、この様とは。
ぎり、と噛み締めた歯の音が頭の中に響く。

気遣わしげな鳴き声と癒しの力。
それに気付いた時には、あれ程あった筈の傷が半ば塞がっていた。
流れる血も、殆ど無い。
ありがとう、と浮遊する小さな仲間を撫で、死地へと向き直る。


まだ、此処で倒れはしない。
……いや、此処だけでは無く何処であれ、か。

此の身、仲間を守り抜く盾として。
終わり無き戦いの路を穿ち駆け抜ける為の矛として。





――待っていろ。必ず。

-.-.-.-.-.-.-.-

“巡る月は夏夜の空に”     (9話ホテル入館前@ユエ嬢後ろ様)

※非公開作品として先方へ送信済。(11/2)

-.-.-.-.-.-.-.-
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